​プロフィール：

ハワイで33年ぶりに日本酒造りを復活させたIslander Sake Brewery Hawaii の創業者であり、醸造責任者（Brewmaster）。日本では岡山理科大学・醸造学科の講師として発酵科学・醸造学を教え、研究者として長年携わってきた。千秋氏が追求するのは、自然と調和したサステナブルな酒造り。
岡山県の自然栽培農家と協力し、農薬・化学肥料・除草剤を一切使わず育てられた
自然栽培米「雄町（Omachi）」 を酒造り専用にハワイへ輸送。
さらに、ハワイ島の雪解け水・火山の水・深層海洋水など、ハワイが誇る自然の水を掛け合わせて仕込むことで、“翌日もすっきりと感じる、体に優しい日本酒” をつくり続けている。千秋氏はこう語る。
「私の目的は、日本の農家を応援すること。自然栽培には力がある。」
農薬に頼らずリンゴ栽培を成功させた青森の農家の挑戦に共感し、その精神を岡山の自然米農家とともに受け継ぎ、自然の生命力を活かした酒造りを実践している。

2020年3月には、ハワイ州のスモールクラフト・プロデューサー・パブライセンス（Small Craft Producer Pub License）を取得。
酒造・販売・テイスティングを一体で行えるこの特別許可によって、ハワイで33年ぶりとなる日本酒蔵の誕生を実現した。酒蔵を立ち上げるまでには約2年を要し、クラウドファンディングでは目標100万円に対して560万円以上を達成。
ハワイのローカルコミュニティや日本酒ファンからの大きな応援を受けてスタートした。醸造はすべてスモールバッチで、一度の仕込みに約300kgの米を使用。
三段仕込み、35日間発酵、年間約11回の仕込みという丁寧な製法で、ハワイの自然と日本の伝統技術を融合させた唯一無二の酒を生み出している。

千秋氏がハワイで酒造りを行う理由は明確だ。
「ワインが世界中で造られることで文化が広がったように、日本酒も世界で造られるべき。‘Made in Hawaii’ の日本酒が広まれば、日本の農家を支え、日本酒文化の未来にも貢献できる。」
 

Aloha の精神を大切にし、自然を尊びながら、
“ハワイから世界へ日本酒文化を届ける”
という新たな道を切り拓く醸造家である。